■鉛電池とリチウム電池のお話
まず、鉛電池の仕様を勘違いしている方が思いのほか多いのです。
12V/100Ahのバッテリーだとすると、このバッテリ容量の100Ahと言う数字から、 「100A連続で1時間使える、または1200Wの電化製品を1時間連続で使える」と思っていませんか?
実はこれ間違い。
この容量は、20時間率で計算した容量を指しているのです。
20時間率とは、満充電のバッテリーを一定のある電流で使用すると、20時間使えた。逆算すると、100Aだったと言うことです。 |
つまり、100Aの1/20の電流[約5A]で20時間持つと言うことです。
そして重要なお話。
鉛バッテリーは放電レート(放電電流)が高いほど実用量は少なくなります。これを鉛バッテリーの 容量低減といいます。この容量低減は平均約50%。
つまり、半分の容量しか使えないことになります。
鉛電池とリチウムイオン電池の比較
鉛蓄電池 | リチウムイオン電池 | |
---|---|---|
特徴 |
・比較的安価で、使用実績が多い。 ・比較的広い温度範囲で動作。 ・過充電に強い。 ・高電流密度による放電が可能。 |
・エネルギー密度が高い。 ・充放電エネルギー効率が極めて高い。 ・自己放電が小さい。 ・長寿命が期待できる。 ・急速充放電が可能である。 ・充電状態が監視しやすい。 ・劣化が起こりにくい。 |
課題 |
・低い充電状態では、電極の劣化により充電容量が低下。 ・誤差の小さい充電状態の管理手法が確率されていない。 ・充電状態管理のために監視状態のリセット頻度を減らす技術が必要。 ・充放電のエネルギー効率が、他の電池よりも低い。 |
・有機電解液を用いる電池のため、高い安全性確保策が必要。 ・過充電・過放電に弱く、単電池毎の電圧管理が必要。 ・高温での保存は、電池の劣化を加速するため管理が必要。 ・低コスト材料の開発による電池の低コスト化が重要。 |
寿命 (80%DOD) |
≒300回 | >2000回 |
自己放電率 | 15~20%/m | 1~3%m |
容量低減 | 30~50% | —- |
環境庁ホームページより
KULOS概要
バッテリーマネージメントシステムの重要
バッテリーマネージメントシステム(BMS)はリチウムイオン電池の本来の性能を引き出しサイクル寿命を保持する為に必要不可欠。
車載用リチウム電池搭載蓄電システム「クロス」は、専用のBMSとして制御ボード及びバランサーボードを新たに開発搭載しました。
バランサーボードは電圧検知・セル監視・温度監視・バッテリーバランス等を行い、その情報を制御ボードに送り、制御ボードは受け取った情報を基に、充放電管理やシステム全体の管理を行います。
バッテリーの状態を常に監視、リチウムバッテリーの本来の性能を充分に引き出し、サイクル寿命を保持するBMSは「クロス」の安心・安全な動作をサポートします。
厚銅パターンによりプリント基板上で大電流を扱うことが可能な厚銅膜回路基板を使用して、制御ボードとバランサーボードを製作しました。
充電時にバッテリーに流れる大電流をバランサーボードが管理し、制御ボードからの指令により、各バッテリーセルのバランスルを取りながら充電を行います。
通常基板の20倍の1000μmの厚さでシステムの安全性をさらに確保しました。
学校・病院・介護施設・オフィス・エコハウス等に納入実績があり、国土交通省のNETIS製品に登録されているリチウムイオン電池搭載蓄電システム「VENUS」の制御技術とノウハウを投入しました。この制御技術の安全性が評価され、国立高等専門学校の研究教材とし導入されております。
安全で高度なリチウム電池制御技術に加え、周囲温度500°Cでも発火しない、安全性に優れたリン酸鉄リチウム電池を採用しました。
非金属-非金属の共有結合で結びついていることより、過充電や短絡(ショート)による酸素原子の離脱が非常に困難な為、発火しません。
走行充電について
リチウムイオン電池は充電と放電を同時に行うことができません。リチウムイオン電池に負荷(電気製品等)が接続されバッテリーから放電している場合は充電はできません。同様に充電している場合は放電できませんので、接続負荷への電力供給ができない事になります。
走行充電中は車内で電気製品が使用できなく、電気製品使用中は充電できない事となりますが「電力を上手に貯めて賢く使う」をコンセプトとした蓄電システム「VENUS」のシステムノウハウを投入することで、この問題を解消しました。
「KULOS」の充放電動作
消費電力が走行充電発電量+太陽光発電量より多い場合 (消費電力 > 発電電力) |
発電した電力を有効(優先)に接続不可へ供給し、不足電力をバッテリーから供給します。 |
消費電力が走行充電発電量+太陽光発電量より少ない場合 (消費電力 < 発電電力) |
発電した電力を有効(優先)に接続負荷へ供給し、余剰電力をバッテリーに充電します。 |
リチウムバッテリーの優位性
鉛電池の数値の読み方を勘違いしている方が思いのほか多いのです。
12V/100Ahのバッテリーだとすると、このバッテリ容量の100Ahと言う数字から、「100A連続で1時間使える、または1200Wの電化製品を1時間連続で使える」と思っていませんか?実は間違いで、この容量は20時間率で計算した容量なんです。
※20時間率とは…満充電のバッテリーを一定のある電流で使用すると20時間使えた。逆算すると、100Aだったということです。
つまり、100Aの1/20の電流(約5A)で20時間使えるということです。そして、鉛バッテリーは放電レート(放電電流)が高いほど実用量は少なくなります。これを鉛バッテリーの容量低減といいます。
この容量低減は平均約50%、つまり、 表示数値の半分の容量しか使えないことになります。
一方リチウム電池には容量低減が殆どありません。また、鉛電池に比べてエネルギー効率が高いので、鉛電池と同じ容量でも軽くて小さくなります。サイクル寿命も鉛電池の約10倍程度長持ちします。
充電時間においても鉛電池とリン酸鉄リチウム電池には大きな差があります。電池の容量は単位:C(Capacityの頭文字)で表します。
1Cとは、電池を定格充電してちょうど1時間で終了する電流値のことで、放電も同様です。
使用時間の具体例
※連続稼働平均消費電力350Wで計算。※使用時間はあくまで目安です。
製品Q&A
製品仕様
MODEL: LULOS 5000 | |
---|---|
搭載バッテリー | リン酸鉄リチウムバッテリー |
バッテリー容量 | 3.2V/200Ah×8 |
蓄電池容量 | 5,100Wh |
サイクル寿命 | 3,000回(80%DOD)/2,000回(70%DOD) |
インバータ出力 | 1,500VA |
出力波形 | 完全正弦波 |
入力(充電)電圧 | AC100V・DC12V |
出力電圧 | AC100V(DC12V出力はオプション) |
出力ポート | AC100V端子台出力×4系統* |
充電時間 | 約20時間 |
液晶パネル表示 | 充放電状態/バッテリー電圧/バッテリー残量等 |
使用範囲 | 使用温度範囲 0℃~45℃/使用湿度範囲 15%~85% |
サイズ | 600(W)×600(H)×350(D)mm |
質量 | 約73kg |